障害・福祉

まねっこ遊びの効果

~自閉症などの発達障害を持つ子の社会性を育む可能性~

小さな子どもが親に「真似される」ことを喜ぶ、そんな経験はありませんか?

この「真似される」ことによって、
真似された人の頭の中では無意識に、
「真似した人」に好感を抱きやすくなるそうなんです。

これを利用して、
自閉症など発達障害を持つ子どもの、
「他者の気持ち」や「社会性」に働きかけることができるかもしれない。

そんな話題です。

【目次】

真似されると脳が活性化する

人間関係において、
自分と似たような考え方をする人や、
自分と同じような行動パターンをする人に対して、
好意を持ったり親近感を覚えたりします。

逆に自分と正反対の人に魅力を感じたりもしますが、
これは自分というものを客観的に見れていることが前提になっていて、自分には欠けているもの、自分が備えたいと思っている気質を持った人に憧れを抱く。
そんな心境だと思います。

一方前述の同じような考えや行動の人に抱く好意や親近感、
これは無意識の安心感に近いように思いました。

小さな子どもが、
「自分の真似をしてくれる人は、自分に関心を持ってくれている人。」

そんな風に頭で考えているわけではないけれど、
感覚として相手の好意をキャッチしている証拠、と言えるかもしれません。

また、動物と仲良くするために、動作を真似すると聞いたこともあります。

実はこのようなことを脳の神経レベルで見ると、
どうやら「ミラーニューロン」というものが関わっているらしいのです。

ミラーニューロンとは

以下、ウィキペディアより抜粋です。

ミラーニューロンとは

霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられている。

ウィキペディアより

ミラーニューロンが活性化すれば
相手への関心・好意が高まる

相手を見ている時、脳の中では相手の動作を無意識に真似をしていると言います。

この無意識にしている頭の中の「まねっこ」を、
実際の行動でも真似をしてみると、
真似された人は真似をする人に対して好感を抱く、という現象がおきるそうです。
これをカメレオン効果と呼ぶそうです。

これは「まねっこ」という動作を通じて、「通じ合えた」という感覚に結びつくから、と言います。

この「通じ合えた」という感覚こそ、相手に対する好感の源になっていて、さらには相手に共感や同調することに発展すると言われています。

ミラーニューロンの活性化が
相手の行動の意図をくみ取るために重要

このように、相手に共感したり同調するためには、ミラーニューロンが活性化する必要があります。

逆に言えば、ミラーニューロンが活性化すれば、
相手の気持ちや状態をくみ取るという社会性が刺激される、ということになります。

そしてミラーニューロンの活性化には、まねっこ遊びが効果的であると言うことができます。

他者の気持ちを理解することに苦手があるとされる自閉症などの発達障害を持つ人の社会性を育むことも期待できるというのです。

カメレオン効果とは

先述のカメレオン効果について、以下コトバンクより抜粋です。

カメレオン効果とは

相手のしぐさ・くせ・表情などをまねることで相手が良い印象を持つこと。必ずしも意図的にまねをするのではなく、無意識的・反射的に相手のまねをしてしまうことで、円滑な人間関係が保たれると考えられている。

コトバンクより

心理学の世界でも、
相手に好感を持ってもらえる方法の1つとして、仕草を真似する、というのがあります。

仕草をまねる カメレオン効果

みんなが同じ服装をする学校の制服も、仲間意識を高める効果があると言います。

これがまさしくカメレオン効果だったんですね。

また周りが笑っていると、よくわからなくても、つられて笑ってしまったり。
これもカメレオン効果かもしれませんね。

カメレオン効果 イメージ

カメレオン効果を更に高める「リズム」

人はそれぞれ、自分が心地いいと思うリズムを持っています。

そして自分のリズムと違うリズムを持った人と、何か一緒のことをするとストレスを感じると言われています。

せっかちさんとのんびりさんでは、
一般的に相性が悪いと言われる所以となっています。

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「せっかちさんとのんびりさん、相性悪い⁉」

これも裏を返せば、
音楽やリズム遊びなど、楽しく取り組めるもの使って、
同じリズムで関わることで、相手に対する共感や同調を促すことができると言えます。

ここにまねっこ遊びのカメレオン効果を取り入れれば、更に共感や同調を後押しすることができるというわけです。

音楽やリズム遊びに、
まねっこ遊びの要素を加えることで、
自閉症などの発達障害を持つ人の社会性を育むことが期待できる。

そんな研究も進められているようです。

まとめ

いかがでしたか?

人の真似をすることに、こんな深い意味があるなんて知りませんでした。

現代社会では、人の真似ばかりする人は「独創性がない」などと言うレッテルが貼られてしまいます。

先日も我が家の療育っ子に向かって、
上の子が「なんでも真似してきて!」と怒っていました。

確かに何でもかんでも、
やることを真似されると、あまり心地の良いものではないですよね。

でも真似をされて嫌だなって思えるのは、
自分というものがしっかり持てている証拠なのかもしれません。

逆に、我が家の療育っ子のように、
何でも人の真似をしたがるのは、
真似をすることで相手の関心を惹きたい、だとか、
好意を抱いている相手の真似をすることで、相手のように自分もステキになりたい。

裏を返せばこんな心理が隠れているのかもしれませんね。

話がちょっと逸れてしまいましたが、
今回の記事では、たくさん話の裏を返してしまいました。汗

裏の裏は表、ということで、この記事もマルっと締めくくりたいと思います!

かんもくっ子ポコたん

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