小児科イメージ
場面緘黙症,  療育日記

療育っ子の小児科選び

大変なかかりつけ医探し

子どもを連れた引越で、大変なことはたくさんあるのですが、「かかりつけの小児科を決める」というのもなかなかの一仕事です。
まだ小さいうちは予防接種もあって、早めに見つける必要があります。

ここに引越してきてから、通っている幼稚園のママさんたちに聞いたり、口コミを調べたりして、ようやくここ、というかかりつけの小児科を見つけました。

優しいおじいちゃん先生で、診断も的確、すでに小学生だった上の子には、親ではなく、子どもの目を見て分かりやすく病状の説明をしてくれる信頼できる先生でした。

病院で困ること

娘を病院に連れていくときに、緘黙や緘動の症状から困ることが多々あります。

  • 普段と違う病院という環境で過度の緊張
  • 先生の指示に従えない

例えば、
診察のために口を開ける、
尿検査をする、
質問に答えられない(頷きなども難しい)
などがあるのですが、その日も「口をあけて」の指示に従うのが難しかったんです。
緊張で固まってしまい、緘黙・緘動症状が全開状態でした。

先生「はい、お口をあーんして」
娘 「・・・・」
先生「喉を見たいから、あーんして」
娘 「・・・・!」
私 「この子は緊張すると固まってしまって・・・」

先生「お母さん、このままわがままを通しますか?
   わがままを聞くか、躾をするか、それは親の判断ですが、
   わがままを認めるのは賢明と思えませんよ。」

口を開けられない我が子をわがままだと言った先生。

病院で本当に困るのは、先生に理解してもらえないことでした。

緘黙のことを、もっとちゃんと説明すれば良かったのかもしれません。
ですが、私も心が折れてしまいました。

以前にも、検尿ができない旨を受付で伝えたところ、
「あっそうですか」
とあきれ顔で検尿カップを取り上げられた経験もあり、それ以上説明する気力も失ってしまいました。

小児科医が発達に理解があるとは限らない


発達障害、なんて言葉が出てきたのも最近ですし、一昔前では「親の躾の問題」だと思う風潮が強く、発達にまつわる様々な言動は単なる子どものわがままに過ぎない、と思われていたと思います。

実際、私自身も娘が生まれてからようやくまともな知識を得ようとしたくらいで、身近にいなかったり、関心がなかったりすれば、「理解する機会」そのものがないのだと思います。

そうと分かれば、もうかかりつけ医を変えた方がいい!

子どもの発達について理解のある先生を探そう、そして発達についても気軽に相談できる先生を探そう、そう思ったのです。

発達外来を開設している小児科を探す

小児科の中には、一般小児科とは別に、発達を見てくれる「発達外来」を開設している病院があります。

発達も診てくれて、病気になったときも診てくれるので、子どもを丸ごと理解してくれるというメリットがあります。

「発達外来」と表記がなくても、ホームページなどで発達の相談に応じます、と書かれていればまず大丈夫です。

娘の場合はラッキーなことに、大きな病院の小児発達外来にお務めだった先生が、独立して開業されるという噂を耳にしました。

お試し受診したところ、通っていたところより、少し遠くなりましたが、評判通り発達に対して理解のある、信頼できる先生で、今でもお世話になっています。

情報網を作ろう

発達に心配を抱えていると、小児科に限らず歯科、眼科などへの通院もなかなか大変です。
どんな先生に診てもらうかで、子どもが「病院」に対して抱くイメージが決まってしまいます。
それはとても賭けのようなもので、連れていく親は毎回かなりな覚悟を要します。

なので、できれば住んでいる地域に同じ悩みを持つ親御さんと知り合いになることが、お互いにとてもプラスになります。
どこの病院が良かった、とか、あそこはこういった対応をしてくれた、とか、本当の生の情報を交換することで、病院開拓にかかる労力が半減するだけでなく、嫌な思いをした経験なども共感して聞いてもらうことで、心が軽くなります。

まれに、通っている人しか知らないようなこともあり、例えば先生のご親族に療育っ子がいて、本当に痒い所に手が届く対応をしてもらった、温かい言葉がけで救われた、などということもあります。

同じ悩みを持つ親御さんと知り合いになるには、自治体が開いている幼児教室で、気の合いそうな方に声をかけてみると、意外と最初からフランクに話ができます。
定型発達のお子さんを持つ親御さんには言いにくいようなことなども気軽に話せるため、実は多くの方が「同じ悩みをもつ同士」を求めているんです。

親子で安心して通える小児科と出会うために

小児科選びに話が戻りますが、
以前、これも別の小児科の先生からこんなことも言われました。
「ドクターショッピングはお勧めできませんよ」

わたしは違うと思います。
信頼できる先生に出会えるまで、思う存分ショッピングしたらいいと思うんです。
だって、世界に一人しかいないこの子を、まるごと理解してくれる先生にお願いしたいじゃないですか。
こんなことを言う先生の病院には、もちろん二度と行きません(笑)。

お試し受診する際には、最初から受付で発達にこんな困難さがある、ということをお伝えしておくといいと思います。
受付や先生の対応が、求めているものかどうかがすぐに分かるからです。
最初はなかなか伝えるのも勇気がいりましたが、わたしも最初からきちんと伝えておけば後で嫌な思いをせずに済んだかもしれません。

今では自治体で配布している「ヘルプカード」を、眼科などに行くときには受付で提示するようにしています。
するとカルテに挟んでくれて、先生にも見てもらえます。
てんかんの検査入院をした際にも、病室のベッドにぶら下げておいて、担当の看護師さんが時間帯で交代になっても都度説明することなく、お互いにストレスフリーでした。

自分と我が子を守るために、ここを訪れてくださった方が、心から信頼できるお医者さんと一日も早く出会えますように。

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