場面緘黙症,  療育日記

療育機関での様子 ~親子教室vol.3 まとめ~

我が家の療育っ子は知的障害と場面緘黙症をもつ女の子です。

そんな娘の療育機関での様子を振り返ってみたいと思います。

今回は自治体が主催するの親子教室での様子その3です。

*親子教室での様子その1、その2、療育機関については以下をご覧ください。

療育について
療育機関や利用法など
療育機関での様子~親子教室vol.1~
療育機関での様子~親子教室vol.2~

【目次】

  1. お友達と関わろう
  2. 単語出ましたー!
  3. 本領発揮へ
  4. 最後に

1.お友達と関わろう

療育 友達との関わり

我が家の療育っ子は、お友達に興味、関心があるものの、関わり方はとても限定的です。

一言でいうと、超が100個くらい付く人見知り。

幼稚園にも仲良しのお友達がいますが、
療育っ子の気持ちを代弁してくれたり、欲しいものを察して渡してくれたり、グイっと誘ってくれたりする、とてもしっかりとした、ちょっとお姉さん気質のお友達。

しかしながら、
このような逸材はなかなかいない上に、
そのお友達と相思相愛でなければ成り立たない関係です。

ほんとうにラッキーとしか言いようのない運の上に成り立つ交友関係。

そのため、
その場にたまたま居合わせたお友達と一緒に遊ぶというのは、はるか雲の上の目標です。

ですがここは親子教室。

先生という強い味方がいるじゃないですか!

かんもくっ子ポコたん 大丈夫

通い始めのころは、療育っ子は年少さんということもあり、やってくるお友達はお兄さんやお姉さんたち。

そして発達の不安も大きい子から小さい子まで様々です。

1年くらい通ったころ、
利用日が続けて一緒だった年上の男の子がいました。

口数は少なめで、優しくて、すらりと背の高い男の子。

かんもくっ子ポコたん 話しかけてくれた男の子

その子が活動中に、療育っ子に手紙を書いて渡してくれたんです。

何かのイラストと、自分の名前が折り紙に書かれたかわいい手紙。

そして一緒に遊ぼう、って誘ってくれたのでした。

サーっと逃げ出すかと思いきや、
すんなり一緒に遊ぶことができたことに、わたしの方が仰天です。

我が家の上の子がお兄ちゃんだらかでしょうか?
それとも手紙の効果?
まさかその子がイケメンだったから?

療育っ子のバリアが一瞬でとけた理由は分かりませんが、何はともあれ、一緒に遊ぶことができたんです。

ですが親子教室の難点は、次に会える保証がないことです。

もちろん先生には聞いてみますが、
お互いの家庭の予定が合わなかったりするものです。

その後、数回は同じ日になりましたが、ほどなく彼は卒園していまいます。

療育っ子 寂しい別れ

それからというもの、
他のお友達に向けられる目が、変わったように思います。

それまでは興味や関心はあるものの、関わろうとはしなかったのが、
同じスペースで遊ぶことに抵抗が少なくなり、
先生を介して、お友達と関われることも出てきました。

いつも決まったメンバーだと、
そのメンバーの中での交友関係が型にはまってしまって、
いつも遊ぶ子が決まってしまいます。

でもいつも違ったメンバーだと、
お互いの持つ交友力を活かして、初めてのお友達と関わる機会が生まれます。

ここに子ども同士の「誘える側」と「誘われる側」がピタリとはまったとき、先生というパイプ役がうまく子どもたちの関係を育ててくれる。

これが親子教室のメリットの1つだと思えるようになりました。

それまではいつも違うメンバーで、
「初めまして」が苦手な娘がこの親子教室に「慣れる」ことを阻んでいる、そんな風に思っていました。

誰とでも遊べるようにはなりませんでしたが、
こんな風に一緒に遊べた日、
なんとなく一緒のことができた日、
自然とそんな風に遊べる日が増えてきました。

娘がお友達と一緒に遊べるようになると、
わたしもそのお友達のお母さんと言葉を交わす機会がもらえます。

療育っ子 ママ友の関わり

「どこの幼稚園ですか?」

「年長さん?」

他愛のないやり取りですが、娘か先生としか話す相手がいなかった環境では、とても新鮮です。

2.単語出ましたー!

かんもくっ子ポコたん 言葉を発した

年中さんになっていたでしょうか。

この親子教室にも慣れてきて、楽しく遊べるようになっていたころ。

先生とのコミュニケーションも随分取れるようになって、関わりもダイナミックになってきました。

ボールプールのボールをひたすら散らかしたり、
大きなバランスボールを力いっぱい転がしたり。

おままごとも机の上でチマチマ遊んでいたものが、
別の場所にある材料を先生と競争して走って取りに行ったり。

この頃には大きな笑い声はたくさん出るようになっていました。

かんもくっ子ポコたん 大きな笑い声

ある時、やはりダイナミックおままごとをしていました。

先生「ポコたん、(野菜か何か)いる?」

娘「いる!」

えー⁉

いるって言ったーーー!

初めてです。

娘が家族以外に言葉を発したのを聞いたのは!

先生「ちょっと~お母さ~ん、わたし、泣きそうなんですけどぉ~」

先生、先生!

だめです、その反応は。

と思いつつ、わたしの方がワンワン泣いてました。

かんもくっ子ポコたん 母 泣く

びっくりしたようにわたしを見つめる娘。

しまった!早く隠れなければ。

隠れるとこなんてないけど、とにかく後ろを向いて涙をこらえるのが必死でした。

その後も先生は、

「いる?いらない? いるって言わなきゃ取ってこないぞぉ~」

「も~、いるって言ってよぉ~」

「意外に声低いんだから~」

場面緘黙症の子どもに対しては、まずNGな声掛けばかり。

かんもくっ子ポコたん ダメ

それでも先生の「お遊びモード」に引き込まれ、やっぱりふふって笑っちゃうんです。

出てくる言葉は、そんな単語ばかりでしたが、親子教室ではそんな単語を発する日が増えてきました。

調子に左右されるので、もちろん毎回ではありません。

それでもわたしたち親子にとっては、大きな大きなステップとなりました。

3.本領発揮へ

かんもくっ子ポコたん 本領発揮

単語を発することができるようになってから、遊び方もいよいよ「らしさ」を出せるようになってきました。

場面緘黙症を克服したわけではありません。

単語を話せる日がある、という程度で、
まったく話せない日もあるものの、遊び方は随分と大胆になってきました。

活動時間内でもトランポリンを飛べるようになったり、
滑り台もガンガン行けるようになったり。

そして一番は、三輪車を文字通り乗り回せるようになりました。

三輪車に乗ってしまえば、顔つきが変わります。

かんもくっ子ポコたん 三輪車が好き

ものすごいスピードでブイブイこぎます。

そしてお母さんも先生も、三輪車に乗ってついて来い!と無茶ぶり。

大人が三輪車に乗るのは想像以上にキツイです。

それでも指示には逆らえません笑。

一生懸命こいで、見てないとこでは持って走って、親子教室の翌日あるいは翌々日は筋肉痛で大変でした。

年齢的に、先生は保育所のお仕事を定年退職されたとのことなので、わたしの親より少し若いくらい。

その先生も付き合ってくれます。

幼稚園や保育所の先生って、本当に体力勝負で、頭が下がる思いです。

通い始めからは想像もできない小っちゃい暴走族の姿。

継続は力なり。

4.最後に

かんもくっ子ポコたん 親子教室がすき

そんな楽しかった親子教室も卒園すると、もう来ることはできません。

刻々と別れの時期が近づきます。

療育機関の中には、
未就学児を対象とした児童発達支援で終了するものも多いです。

我が家の療育っ子の場合は、
この親子教室、
大規模療育機関で通っていた、遊びの教室・作業療法・言語療法のすべてが終了となります。

卒園という幼稚園との別れに加えて、
こんなにも多くの場所で密に関わってくれた先生方との別れが待っています。

その一つ一つに、たくさんの悔し涙や嬉し涙、いろんなドラマがあった療育生活。

「今日で最後」が立て続けに来る3月は、
就学に向けた不安とともに、別れの悲しみが押し寄せる、たくさんの涙が必要な時期でした。

中でもこの親子教室は、
娘の成長を一番間近で見れた場所、
自分の気持ちをたくさん話せた場所、
そして大好きな先生がいた場所。

長くお世話になって、
卒園・就学という達成感と不安に満ちた、巣立ちに近い心境での別れです。

最後の日はもういろんな気持ちがあふれすぎて、返って言葉がでてきませんでした。

「ありがとうございました。行ってきます!」

泣き笑いの顔で、最後こう言ってさようならしました。

親子教室のメリットはたくさんありますが、
今から振り返ると、
わたしにとって一番大きなメリットは、
親が安心して子どもと楽しめる場所だったこと。

療育っ子を育てていると、親はいつも不安の中にいます。

それは遊んでいても、
ご飯を食べていても、
何気ない日々の中にも不安要素があちこちに落ちています。

そんな毎日の中、
自分の思いや不安をさらけ出せる場所であって、
そしてなんの心配もなく子どもと遊べる場所。

帰る頃には、子どもだけじゃなくて
わたしも笑顔になっていることが多かったです。

子どもが一番信頼する親が、
安心して楽しんでいる様子は、
間違いなく子どもの心に沁みています。

わたしにとってはそんな時間をくれる場所でした。

時々今でも先生に会いたくなります。

時が経っても会いたくなる、そんな先生に出会えた場所でした。

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