質の良い睡眠で免疫力アップ

ヘルスケア

睡眠不足が免疫力低下の原因に⁉

いよいよ冬本番。

今年の冬は、インフルエンザに加えて新型コロナ肺炎にも気を付けないと・・・

マスク、手洗いに加えて、自宅でできる免疫力を落とさない秘訣とは。
質の良い睡眠が、感染症対策になる、そんな話題です。

睡眠

*睡眠について詳しくは、以前の記事「快眠のための3つのヒント」をご覧ください。

睡眠には、
身体を修復する「ノンレム睡眠」と、大脳を修復する「レム睡眠」の2種類があります。

今回着目するのは、身体を修復する「ノンレム睡眠」です。

体の修復とは

身体の修復とは、
代謝や免疫を強めるような機能に関連したホルモンがたくさん分泌されることによって、回復を早める、ということです。

このようなホルモンの代表として、
・成長ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン
・プロラクチン
などが挙げられます。

免疫と睡眠の関係

次に、上述の睡眠中に分泌されるホルモンと免疫の関係をご紹介します。

これらのホルモンが寝ている間に分泌されるということは、日中の活動をサポートするべく、とても理にかなったしくみになっています。

‣成長ホルモン

“成長ホルモンとは脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンである”
ウィキペディアより引用)

寝る子は育つ、
と言われるように、寝ている間に成長を促すホルモンが分泌されることや、大人になっても美容のためにしっかり眠って成長ホルモンを分泌させましょう、など、既に「良いもの」というイメージがありますよね。

この成長ホルモンには、もう一つ、代謝に関する作用があると言われており、免疫に関してはこちらの作用に着目します。

生理作用 【代謝に関する作用】

成長ホルモンの代謝に関する作用には、大きく以下の4つが挙げられます。

  1. 代謝促進:炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進する。
  2. 血糖値上昇:血糖値を上昇させ血糖値を一定に保つ。
  3. 恒常性の維持:カルシウム濃度などを一定に保ち、体内の恒常性を維持する。
  4. 体脂肪動員の促進 :エネルギー不足の状態の時、脂肪組織を燃やしてからエネルギーにする。

このように、
三大栄養素の代謝を上げるように働くことや、
脂肪組織を燃やしてエネルギーにする、
貯蔵されているグリコーゲンを分解して血糖値を上げることに関わっていることから、

成長ホルモンは身体を活動モードにする、ということが分かります。

「自然免疫」のスイッチをONにする

身体が活動モードになるということは、自律神経でいうと交感神経の領域になります。

交感神経が優位になっているとき、免疫でいうと「自然免疫」という、体内に病原菌が侵入することを防ぐ役割の免疫がしっかり働きます。

このように、成長ホルモンは
「身体を作り、エネルギーを生み出し、活き活きと動かす」状態を保つように働くことから、結果的にその活動をサポートするために「感染症を予防する」ためのスイッチを入れることになるんですね。

身体って、本当にうまく作られているなと思います。

‣甲状腺刺激ホルモン

“甲状腺刺激ホルモンとは下垂体前葉の甲状腺刺激ホルモン分泌細胞から分泌されるホルモンであり、甲状腺に働きかけ甲状腺ホルモンの分泌を促す”
ウィキペディアより引用)

よくわからない言い回しですが、要は甲状腺ホルモンの分泌をいい具合に調節するためのホルモンだと言えます。

甲状腺ホルモンは、
心拍数、カロリーの燃焼速度、皮膚の修復、成長、熱産生、妊よう性、消化など多くの生命活動に関わっています。

これらを調節するように働くということは、1日の活動に最適な身体の使い方ができるように調節することなので、本来自分が持っている免疫力を最大限に使える状態にしてくれます。

‣プロラクチン

“プロラクチンとは、主に脳下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞(lactotroph)から分泌されるホルモンである。”
ウィキペディアより引用)

生理作用 【免疫反応を増強する】

プロラクチンは、乳汁の分泌に関わる女性ホルモンとして有名ですが、男性にも女性にも存在し、その主な作用の中には、免疫反応を増強する、というものがあります。

分かりやすく妊娠から分娩、授乳の期間を例にとってご紹介します。

  1. 受胎してからプロラクチンの血中濃度が上がり始める
  2. そのまま右肩上がりに上昇し、分娩時にピークを迎える
  3. 授乳時には搾乳刺激(赤ちゃんが吸い付くことによる刺激)で数分以内に上昇、10分後にはピークを迎えるように、その都度ホルモン分泌量がコントロールされる

このように、
妊娠して赤ちゃんを産み、育てる期間というのは、動物にとって感染症のリスクを最大限に減らしたい時期です。

生物の大きな目的の一つ、「種の保存」の観点からも、感染症や外傷による影響をなるべく少なくするために、身体には防衛機能というのがしっかり備わっているのです。

睡眠中にプロラクチン濃度がピークになる

ではこれを、1日の活動に置き換えて考えてみます。

プロラクチンの血中濃度が一番高いのは、睡眠中です。
睡眠中にしっかりと分泌されたプロラクチンは、朝起きたときには既に高濃度になっているため、日中の活動を朝からサポートしてくれます。

そして夕方にかけて徐々に血中濃度が下がり、今度は身体を休息モードにする副交感神経にバトンタッチすることで、日中のダメージを回復するようなリズムになっているんですね。

睡眠は回復と翌日の準備である

1日活動した身体と脳を休めるための睡眠。

その睡眠の間、自律神経は
入眠時の副交感神経から
起床後の交感神経へと、徐々に切り替わります。

副交感神経が優位の期間は、休息モードで緊張を解き、身体を回復させます。
そこから徐々に交感神経に切り替わることで、活動が始まる朝にはその準備が完了している状態。

これが理想の状態です。

そしてこの理想の状態を導くために必要なのが、「大脳の働き」なんです。
この大脳を休ませ、修復させるのが「レム睡眠」です。

このように、質の良い睡眠がきちんととれていることが、身体の免疫力が本来の力を発揮するためには必須なんですね。

参考「自律神経と体内時計」

まとめ

免疫力を高めるというのは、
自分の身体が本来持っている免疫力を100%発揮できる状態にすることである、とわたしは思っています。

マスクや手洗い、消毒は自分を守るためにできる装備であって、
その装備をかいくぐって忍び寄る感染症と戦うためには、自分の中にある免疫システムに働いてもらうしかありません。

免疫力アップに良いとされる食品やサプリメントも、つまりはこの免疫システムが働きやすい環境づくりをサポートするものがほとんどです。

手軽に今日から始められる免疫力アップの秘訣は、しっかりと睡眠をとる事!

身体も心もしっかり休ませて、自分らしくこの冬を乗り切りたいですね。

嗅覚反応分析では、
質の良い睡眠のためにできることを、体質からオーダーメイドでご案内いたします。
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