場面緘黙症

場面緘黙症 幼稚園時代

娘の場面緘黙症の経過、診断後の幼稚園時代の様子です。

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幼稚園に通い始めて、3歳児クラスに入ったころは、
まだ診断が付いてはいませんでした。

そして幼稚園の3歳児クラスって、
まだ周りのお友達も上手に話せる子もいれば、
発音が育っていないお友達もいて、
娘の発達がそこまで遅れているという実感もありませんでした。

そして場面緘黙症については、
確かにここでも「泣く」ことはなかったけど、
言葉もあまり育ってなかったこともあって、
これも実感はあまりありませんでした。

そしてこの3歳児クラスに在籍中に、
幼稚園の園長先生に促され、発達検査を受けることになります。

そこで「場面緘黙症」という言葉と症状を知ることになります。

かんもくっ子ぽこたん気付く

検査結果を聞いた帰り道に、
早速本屋さんによって、場面緘黙症の本を探します。

ほとんどない!

1冊しかない!

らせんゆむさんの「私はかんもくガール」一択です。

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ただ、この一択だった幸運は、
手に取ってほどなく感じました。

専門書なんて読んでも分からないけれど、
このらせんゆむさんの本は、ご自身が描くイラストとともに、
ご自身の場面緘黙症の経験をまとめられた本だったのです。

読みやすいし、
何よりも場面緘黙症を克服した方の自伝です。

どれほどの勇気と希望をもらったことか。

かんもくっ子ポコたん感激

まずは場面緘黙症についての正しい理解をしなければ。

ただ、発達障害もそうですが、
場面緘黙症の症状も個人差が大きいです。

場面緘黙症の一般的なことを踏まえた上で、
娘の状態をもっと丁寧に見ないといけないと思いました。

そこでいろいろ調べているうちに、
かんもくネットの存在を知り、
「子どもの場面緘黙サポートガイド」という具体的なサポート方法が載っている本を購入。

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その本を指南書に、
幼稚園でわたしと2人で過ごす時間をもらう、
そこに先生に入ってもらう、
できたらお友達にも入ってもらう、
そんなことが可能かどうか、幼稚園の先生に相談してみました。

娘が通っていた幼稚園は、
小さな幼稚園だったため、
そして当時は幼保連携のこども園ではなく、幼稚園だったため、
大半の子どもたちが降園したあとは、教室を使うことができたため
先生方の予定の無理のない範囲で何度か時間を作っていただけました。

まず、
「話せる場所」として自宅以外に幼稚園、という環境を作る狙いです。

そこに
「話せる人=わたし」とたくさんお話をすることで、
幼稚園であっても、わたしとなら話せる環境を作りたかったのです。

結果的に、
ここまでは比較的早く辿り着きました。

幼稚園の教室にわたしと2人なら話せます。

でもそこに先生が入ると話せなくなりますし、
あの子だけお母さんと幼稚園の教室で遊べてずるい、
本来なら降園したあとには入れない場所で遊んでいる娘に、
そんな周りの目が向けられているんじゃないか、
先生方にいつも無理を言うことが忍びなくて、
十分に続けることができませんでした。

幸いなことに、
周りのお母さんたちの理解も得られて、
もちろん先生方の理解も得られていたので、
イヤな思いをするような言葉をかけられたことはありませんが、
心理的なプレッシャーに、わたしが耐えられなくなった、
と言う方が正しいです。

そんな風になんとなく幼稚園時代を過ごしてきましたが、
卒園するまで、一度も娘の声が聞けなかったわけではありませんでした。

それは仲良しのお友達がいたことが大きいです。

その子となら小さな声で話せたり、
遊んでいて盛り上がってきて、
自然に「まってー」などの言葉がポロっとでる。

わたしは勝手に、
場面緘黙症であっても、うっかり、ポロっと
一度でも声が出せたら、
「なんだ、話しても大丈夫なのか!」
みたいに一気に殻が破られると思っていました。

ところがそんなにうまくはいかない。

かんもくっ子ポコたんと殻

やっぱり普段の生活では基本的に口をつぐみ、
発表会や参観など、
注目されたり普段と違う環境では、それこそ貝のように固く閉じこもってしまいます。

言いたいことや、
伝えたい思いはたくさんあっただろうに、
大好きな先生にも、一度も「先生」と呼びかけることなく卒園しました。

ポロっと言葉が出た日、
ドッジボールであてられて、悔しくて泣いた日、
今までが嘘のように、立派に参加できた運動会。
(運動会だけはほんのちょっとだけ、いつもハードルが低いようでした)

そんな嬉しい波もありつつ、
基本的にはかんもくっ子。

場面緘黙が娘を覆う殻なのだとしたら、
その殻がちょっとだけ薄くなる時と、
とてつもなく分厚い日常を繰り返すようなイメージです。

そして夏休みなどの長期休み明け、
進級を迎えた新学期などは、
一歩どころか、なん十歩も後ろに下がってしまって、
また毎日「貝」生活です。

とにかく変化に弱い。

それは就学を迎えた今でも大きくは変わりませんが、
調子のアップダウンを繰り返し、
でも長い目で見れば、緩やかに、でも確実に階段を登っていると思います。

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