場面緘黙症

場面緘黙症をもつ子との接し方

~我が家の療育っ子の場合~

‣場面緘黙症についてはこちら

場面緘黙症をもつ子は、一見おとなしく、
でも反応が返ってこないため、関わる人が戸惑うことがとよくあります。

そんなやり取りを見ている親もハラハラするのですが、
一緒にいればフォローもできます。

ですが、場面緘黙症自体の認知度が低くて、
説明をしても本当の意味で分かってもらえなかったりします。

一生懸命話しかけていても、無反応だったりするので、
関わる人が困惑したり、苛立ったり・・。

そして、場面緘黙症を理解してくれている人でも、
何を話しかけても、
じーっと黙ったまま、困り顔で見つめてくるので、
居心地が悪くなったり、あわわ・・となってしまうことも多いです。

かんもくっ子ポコたん 困った

そこで、我が家の療育っ子のケースをもとに、
かんもくっ子と関わるポイントをご紹介します!

◎場面緘黙症の子に話しかけるとき

ニュースのアナウンサーになったつもりで。

かんもくっ子に話すにはアナウンサーになったつもりで。

ニュースのアナウンサーは、テレビの前の視聴者に向かって、
言いたいことや問いかけたいことを、一方的に話しますよね。

それと同じように、
即時レスポンスはないものだとして話しかける。
もうとにかく反応は期待しない。

でも話している言葉は理解しています。

なので反応が返ってこなくても、
心の中で共感していたり、何か答えを用意していたりします。

これもテレビを見ている視聴者と同じです。

意見をアナウンサーに直接言いに来ることは、まずないですよね。

でも、その人の話しぶりや、
自分に向けられている好意(あるいは嫌悪感)はちゃんとキャッチしています。

テレビの視聴者が、
「あのアナウンサー、キライやわぁ」と思うと、
そのニュース番組は見なくなるかもしれません。

逆に、
「あのアナウンサー、いつも感じがステキ!」と思うと、
ニュースだって、ちゃんと見ようって思います。

それと同じで、
場面緘黙っ子は、何も反応しないけれど、
ものすごく人をよく見ています。

基本的に警戒心は強いのですが、
その人との信頼関係を、無意識に加算式に貯めているように見えます。

そしてその信頼ポイントが一定以上溜まったら、
ポツリと話したり、頷きなどの反応が返ってくるようです。

ただ、本人のみが知る、
本能的な第一印象もあるようで、
初対面で絶対的に拒否のような反応を取る相手から、
初対面なのに結構ジェスチャーで意思疎通できる相手など、
相手によって反応が変わることはよくあります。

かんもくっ子ポコたん 無理スタンプ
かんもくっ子ポコたん 好きスタンプ

ただもうこれは、
わたしにも分からない、本人も分からない本能レベルの領域。

絶対拒否対応をされた方には、いつも心の中で謝り倒しています。

かんもくっ子ポコたん 申し訳ないスタンプ

ちなみに、注射など痛いことをしてくると思われている
お医者さんは、ポイント加算の対象外のようです;;

ちゃんと診てもらわないと困るのに、
そして定期受診していたりするのに、
いつまでたっても絶対無理的な反応で、母はひそかに心が痛いです笑

そして更に厄介なのが、
せっかく貯まった信頼ポイントの有効期限が超絶短いことです。

場面緘黙症を持つ人は久しぶりが苦手

長きにわたって、信頼関係を築いてきたにも関わらず、
ちょっと会わない期間が続いただけで、
「ひさしぶり~」は通用しないことです。

信頼はポイントがゼロになったというよりは、
ちゃんと覚えてはいるのだけど、
以前のような関係を取り戻すには、
貯まった信頼ポイントを再認識するための時間がかかる、という感じでしょうか。

とにかく厄介です。

◎場面緘黙症をもつ子がもし声を出したら

名俳優になったつもりで、自然を装う演技を!

場面緘黙症の子が話たら、自然なふるまいを演じましょう

ここは大事です!

だって、話さないと思っていた子から、
言葉が返ってきたら・・・

「今、しゃべった?しゃべったよね⁉」

かんもくっ子ぽこたん びっくり
かんもくっ子ポコたん すごい!

こんな反応が当然です。

でもこの反応はタブーです。

話してしまったことに意識が集中してしまい、
本人的にはこう思ってしまいます。

「しまった・・話してしまった・・」

かんもくっ子ポコたん 話したことを後悔

なので、
場面緘黙症をもつ子がポロっと言葉を発した時は、
お⁉と思いつつ、
自然に対応してあげてほしいのです。

さもそれが自然のことのように、
とりわけて注目されることではない、と感じさせてあげる必要があります。

場面緘黙症をもつ子の多くが、
我が家の療育っ子もそうですが、
注目されることが苦手です。

なので、自分が長い間話してこなかったことで、
自分の声に自信がなかったり、
「話す」という普段と違う事をしたときに、
周りの人がどんな風に自分を見てくるのか・・
これが不安でたまらないそうです。

なので、接する方はなかなかの演技力が求められますが、
ここは俳優さんになったつもりで、
全身で演技をお願いいたします!

かんもくっ子ポコたん 説明します

こんな感じで、
周りもいろいろを気を使い、正直大変です。

ですが、こんな嬉しい声も届いています。

「わたしとだけは話してくれるから、特別嬉しいの」

これは我が家の療育っ子の大好きなお友達からの言葉です。

普段は話さないこと、
他の人とは話さないことを、
子どもながらに理解してくれています。

そして娘がその子に抱いている特別な感情もちゃんと受け取ってくれているんですね。

さらにその特別な感情に、
特別な感情をもって返してくれている。

そのことが本当に嬉しく、貴重です。

普通に過ごしていると感じられないような、
小さな感動のタネがあちこちに落ちています。

どこでそのタネが芽を出すのか。

予想もつかない楽しみが待っている、そんな特権もあるんですね!

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