場面緘黙症,  療育日記

参観と発表会はきらいなんです

緘黙症状と緘動症状を併せ持つ娘にとって、幼稚園の行事はまさしく苦行。
その中でも、参観と発表会、これがものすごく大きな壁でした。

そしてそれを見守る親にとっても、辛いもの。
参観にしても発表会にしても、我が子の発達の遅れをまざまざと見せつけられる場でもあります。
普段は気にしないようにしていても、視覚から入ってくる「固まる我が子」の姿は痛ましい・・

本来、子どもの発達を喜ぶ場でもある参観や発表会。
これを楽しみにできない自分と、重圧に耐える娘。

そんなイベント事について綴りたいと思います。

わたしを見ないで! ~参観~

緊張して固まる子どもイメージ

みんな我が子を見に来ているので、あなたを見ているんじゃないよ・・・
何度もそう思いましたが、ギャラリーの多いあの雰囲気が苦手なんですよね。

普段通り遊んでいても、わたしの姿やお友達のママの姿が見えた途端、プツンとスイッチが切れたように動かなくなる娘。
一瞬で緊張に支配されてしまうようでした。

先生「はい、みんなこっちに座りますよ~」

もちろん動けません。
一人ポツンと取り残され、袖口を口に当てて固まってしまいます。

そうすると、一人だけ違う動きをして違う空気に包まれるため、今度こそ本当に注目されてしまいます。
緊張から動けなくなってしまうのですが、それがますます注目される結果となり、負のスパイラルから抜け出せなくなってしまうんです。

そうなると、見ているわたしも、みんなのペースを乱している我が子に、肩身の狭い気分になってしまって、それも娘には伝わっていたんだと思います。

そんなわけで、親子ともに参観が嫌いです。

就学を迎えてからの変化

就学を迎えてから、少しずつ緊張の色が薄くなっていっている気がします。
それは特別支援学校が1クラス6名という、ごく少人数だからかもしれませんが、娘がほんの少しだけ、「固まるスイッチ」の切り替えができるようになってきたように思います。

緘黙・緘動の症状そのものはまだありますが、娘も成長しています。

参観の意味を理解し、緊張で頭が真っ白になる度合いが和らぐような感じでしょうか。

そして私自身も、周りにいる親御さんも同じように発達に心配のあるお子さんをお持ちの方ばかりの環境で、みんなが理解のある優しい眼差しで子どもたちを見守っているため、自然とリラックスできるようです。

就学先を決めるとき、基本的には子どもにとって一番良いと思う環境を選ぶということに違いはありませんが、親が安心して通わせられるかどうか、これも回りまわって子どもに影響を与えているんだと改めて感じました。

特別支援学校でも、大好きなお母さんに会える参観を身体全体で表現して、張り切っている子どもたちの方が圧倒的に多いです。

そんな中、固まってしまってみんなの足止めをしてしまうことが多い娘ではありますが、周りのお友達の素直な感情表現を見て感じて、「自分も」と思えるようになってほしいと思います。

出たいけど出たくない! ~発表会~

歌やダンス、劇、そして大勢のギャラリー。

緘黙・緘動を持つ娘に何ができるというのでしょうか(笑)

幼稚園の行事として、あるべきものではあると思いますが、緘黙の娘にとってはまさに拷問です。

発表会は結局在園時代に一度も参加できませんでした。
見学、もしくは立っていただけです。

でもその場に居られただけで、娘にとっては絶大な勇気を持って臨んだことだと思います。

見ている親も辛いけれど、決死の覚悟でその場に居る娘を、やっぱりしっかりと見届けてあげなければいけない。
よく頑張ったねって言ってあげたい。

家では歌って踊れるんです。

発表会の前には、幼稚園で参加できなかった分、歌を歌い(歌詞は滅茶苦茶ですが)精一杯ダンスの練習もしているんです。

完ぺきではないにしても、本当はみんなと同じように参加したいという気持ちは持っているんだと思いました。

そしたら逃げずに、その場に居るというだけでも、「場数を踏む」ことになります。

そしてやっぱり強く思うのが、こういう発表会の時、練習の期間も含めて、担任の先生がどれだけ理解してくれるか、というのが子どもの心に大きな影響を与えると思います。

練習でも「離れたところで見ている」から始まって、近くで見る、同じ場所に立ってみる、など、小さな小さなステップを踏んで、その小さなステップに乗れた時に一緒に喜んでくれる先生であってほしい。

スモールステップで挑戦するイメージ

本番は練習とは違う雰囲気となるため、登園できただけで花マルです。
そう言ってくれる先生であってほしい。

そんな関わりから、子どもは自分なりに精一杯頑張ったことを認めてもらい、次につながる自信の芽になるんだと思います。

みんなと同じように十分「発表」できなくても、その子なりにその中で学ぶこと、掴み取ることがたくさんあると思います。
そして目には見えない成長をしていると思います。

発表会はキライで、出たくない!
でもその裏にある「ほんとは出たい」の気持ちが、いつか小さくても花開く日が来ますように。

就学後は、コロナの影響で運動会や発表会などは全て中止となりました。
ですが来年度は・・?
ドキドキです。

まとめ

我が子だけ「できていない」姿を見るのは、本当につらいものです。

また、周りのママさんたちの他愛ない会話に傷つくこともあります。

参観や発表会のタイミングで体調を崩して欠席することを、切に望んだりしたこともあります。

でも、きっと我が子も同じ気持ちなんですよね。

自分だけできていないことに気付いて、つらい思いをしているかもしれない。

周りのお友達の、何気ない言葉に傷つくこともあるかもしれない。

園をお休みしたいって、思う時だってあるかもしれない。

それでも毎日、元気に登園できているのだとしたら。

それは確実に、その子が持っている強さであって、
つらいこと以上に楽しいことや嬉しいことがある環境なのであって、
その度に目には見えない成長をしている証拠なのであって。

だからこそ、
親も目を背けたり、逃げたりしたらダメなんだと思います。

もちろんズル休みしたこともあります。
家に帰ってから一人号泣することもしばしば。
周りの子どもたちを羨むことなんて日常茶飯事。
キレイごとでは片付かないことの多さ。

どんな状態の自分も、そして子どもも、
「あって当然」と受け入れられるといいんですが・・

それがなかなかできないから、悩むんですよね!

Follow me!

PAGE TOP